shin-shin-shin:眞信深/cassie:華思依 2018
北條不可思:浄土真宗本願寺派僧侶・音楽家/シンガー・ソングライター 活動ブログ
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
ただいまコメントを受けつけておりません。
野聖物語~やひじりものがたり~
私は、歩いていた。
この一歩こそが、迷いを断ち切る一歩と信じ、ただひたすら歩いてきた。
おそらくは、長いこと歩いてきたのだろう。宿り木に身を預け、
ひとときの憩いを楽しみ、そしてまた歩いている。
彼の日、私は幼子であった。父も、母も亡くし、
握り締めた伯父の手も、離す覚悟を決めて歩いた。
娑婆の風が骨身に染みる道であった。騒乱と疫病に襲われ、
かろうじて灯る命でさえも河原に打ち捨てられる修羅の世に、
決別を告げるために歩いていた。
あの一歩は、未練を捨てる一歩であったろうか。
未練を残すには、
娑婆は川底の石までも非情であった。
それでも尚、追慕のような恋しさは明滅を繰り返す。
粟粒ほどの懐古の念が弾けて消えるたびに、清冽な意識に波紋を描く。
いつか沸き立つのだろうか。静寂が約束されたほとりに佇みながら、
壊れる自我を守るために、歩くしかない。歩くよりほか術がないのだ。
灯明が糸のように揺らめき、侘しさや切なさを紡いでゆく。
とどのつまり、長い長い経巡りの道程であった。
定まらぬ心で刻む一歩は、無自覚に汚泥を進むようなものだ。
ただ必死であることに陶酔して、空虚を握り締めていたのだろうか。
現さえも、もはや忘却した。
寝覚めは絶望だ。我が身そのものが汚泥ではないか。
落涙の熱に命の実存が、かろうじて知れる。
求め訪ねて、万に一つの知遇を得た。
偶然なのか、必然なのか。地獄なのか、
極楽なのか。救済なのか、堕在なのか。
師との出遇いも、はからいを超えた法爾であった。
そして聞こえた。
真実が我を呼ぶ声を、願いを、はたらきを、私には、確かに聞こえたのだ。
私は、また歩き始めた。
摂取不捨の願力に心を任せて、わたしはただ歩いている。
道はすでに照らされ、闇は破られている。
佛智の光明の届かぬ先はない。
私はいつか願船で彼の岸へ渡る。
記憶に刻まれたすべての縁に別れを告げて。
だからこそ、罪障脈打つこの体を宥めすかし、
ほめてやりながら、命そのままに私は歩く。
この白き道を。
白き道 ただひたすらに 歩み続ける野の聖
《了》
Copyright(C)2007 OfficeAmitaHouse (September 8, 2007)
★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★
NAMO-AMIDABUTSU
有量の諸相ことごとく
光暁かぶらぬものはなし
真実明に帰命せよ
真実
真というはいつわりへつらわぬを真という。
実というは必ずもののみとなるをいうなり。
讃阿弥陀仏偈和讃
<第二首左訓>
Sound and poetry ・・・good lucky for The world peace!!!
《namo-amidabutsu》
from Song & BowzuMan;Rev.FUKASHI HOJO
http://fukashi.blog50.fc2.com/blog-entry-180.html
Song & BowzuMan
since 1981
http://fukashi.blog50.fc2.com/blog-entry-240.html
ENBAN&YAHIJIRI
concert endlesstour since 1996
CANO BAND
since 2006
NEW YORK 2004
photography;Copyright © Louis Ozawa Changchien 2004 NEW YORK
http://fukashi.blog50.fc2.com/blog-entry-180.html
RECORDING 2008-/レコーディング:作品製作
2008-Documentation:Music&Poetry lyric
http://fukashi.blog50.fc2.com/blog-entry-248.html
Fantasia Records de JION MusicFactory
Recorded and mixed by Sun Ashow
Produced by GURAGYU
Copyright © Special JION Music
Fantasia Records de JION MusicFactory
OfficeAmitahouse&VOW BREATH PRODUCTIONS
★★★★★★★
Fantasia Records de JION MusicFactory
in association with ENBAN FUKASHI-NO-KAI
OfficeAmitahouse&VOW BREATH PRODUCTIONS
ただいまコメントを受けつけておりません。